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日本マーケティング協会の定義
マーケティングの定義の移り変わり



日本マーケティング協会の定義


 マーケティングとは何かということについて、日本マーケティング協会では「企業及び他の組織がグローバルな視点に立ち、顧客との相互理解を得ながら公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的な活動」と定義している。
 この日本マーケティング協会による定義は、次のように解釈することができる。
 
     
  1. マーケティングとは企業から顧客へ向けた一方通行的な行為ではなく、双方向性をもった相互理解を得ながら行う活動である
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  3. 企業活動は、世界中の国や地域が相互に依存し影響し合う関係の上に成り立ち、マーケティング活動を実践する際には他国の文化や国益あるいは地球全体の環境に配慮しなければならない
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  5. マーケティング活動は、公正な競争によるものでなければならない
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  7. マーケティングの目的は安全で快適な交換市場を作り上げる
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マーケティングの定義の移り変わり


 マーケティングの定義は、現在に至るまで何度も改訂されてきた。これをアメリカ・マーケティング協会(AMA : American Marketing Association)によるマーケティングの定義づけについて改訂の歴史をたどってみると、1935年の定義では「生産地点から消費地点にいたる商品およびサービスの流れにたずさわる諸々の活動」としていたように、川上である生産者から川下の消費者へ一方通行的に商品やサービスを売り込む活動と捉えていた。
 しかし、1961年の改訂により「商品またはサービスを生産者から使用者へ流通させるビジネス活動の遂行」と定義された。これは、生産者だけでなく商品の流通に関わるすべての者を含んだビジネス活動であるという解釈が加えられたものといえる。
 その後、1985年に「個人や組織の目標を満足させる交換を創造するために、アイデア・財・サービスについて、概念形成、価格設定、販売促進、流通を計画し実行する過程」と大幅な変更が加えられた。この改訂では、1961年に改訂された定義が、あたかも流通活動がマーケティングの中心的な活動であると解釈できるような内容を改めるものであった。1985年の改訂の内容は、マーケティング活動は決して企業が主体となるものではなく、顧客と企業相互の満足を実現させる仕組み作りであることを強調し、マーケティングの目的、交換される商品、具体的な活動内容について言及したものといえる。
 
    具体的に位置付けられたマーケティング活動とは次のようなものである。  
  1. マーケティングの目的は、個人にとっては人生の目標や生活上の望みをかなえることであり、企業においては経営理念と利益獲得の実現である  
  2. 目標を満足させるために交換される商品は「アイデア」・「財」・「サービス」である  
  3. マーケティング活動は、お互いの満足させたい目標の相互理解と交換の仕組みづくりであり、具体的には価格の設定や販売促進や流通を計画し実行する活動全体である  




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