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(1)マーケティングの構成要素
(2)マーケティング・ミックス
(3)サブ・マーケティング・ミックス
(4)マーケティング活動と管理サイクル



(1)マーケティングの構成要素


 どんなに魅力的な製品を創造したとしても、その情報が消費者へ正しく伝わらなければ販 売のチャンスはない。また、その情報が正しく伝わったとしても、どこで手に入れたらよい かわからなければ、これもまた販売のチャンスを逸する結果になってしまう。さらには、製 品の情報に基づいて消費者が製品を目の前にしたとしても、その価格が消費者の期待するも のと大きく乖離しているものであったとすれば、その製品は消費者の手に渡らずに終わって しまう。
 このように、マーケティングは消費者が出発点であり終着点であるとするならば。マーケ ティング戦略を立案する際の大前提は、標的市場(ターゲット)を明確に設定することであ り、市場調査(マーケット・リサーチ)などによる消費者の欲求(ニーズ)を的確に把握す ることだといえる。
 その標的市場においてマーケティング目標を達成するため、コントロールできるさまざま な活動手段を組み合わせて最大限の効果が発揮できるように展開することを「マーケティン グ・ミックス」という。
 マーケティング活動手段の要素についてアメリカのマーケティング学者E・J・マッカー シーの「マーケティングの4つのP」という分類が有名である。4つのPとは「商品・製品 (Product)」「価格(Price)」「販売促進(Promotion)」「流通経路(Place)」の4つ の活動要素であり、これらの活動要素の頭文字をとったものである。  すなわち、消費者が満足する製品を作り、消費者が納得する価格を設定し、商品について 広告・宣伝により正しい情報を消費者へ提供し、消費者が買い求めやすい流通経路を通じて 販売することがマーケティングの基本となる活動だとしている。

(2)マーケティング・ミックス


 消費、流行、価格、市場、流通構造などが刻々と変化する状況の中で 自社の市場優位性を維持し向上させるためには、これらの活動をそれぞ れに行うのではなく、マーケティングの効果が最大になるような4つの Pの活動を組み合わせ、組織的に実践することが重要である。このよう に、マーケティングの4つに分類される活動の相乗効果が最大となるよ うに組み合わせることを「マーケティング・ミックス」という。

マーケティング・ミックスと顧客満足


※パブリシティとは新聞などに取り上げてもらうこと



(3)サブ・マーケティング・ミックス


 また、4Pそれぞれの要素ごとの活動についても、最大のマーケティング効果が発揮でき る手段の組み合わせを考えなければならない。これを「サブ・マーケティング・ミックス」 という。
 製品については、基本機能や付加機能、デザイン、サイズなどをどのように組み合わせれ ば要求に適合できるのかという「製品ミックス」。価格については、どのような価格帯の組 み合わせをすれば値打ち感があり需要を高めることができるのかという「価格ミックス」。 流通経路については、専門店だけで販売するのか、量販店でも販売するのか、あるいは通販 でも行うのかなど、どのような流通経路を組み合わせれば買い求めやすくしかも効率がよい かという「流通経路ミックス」。販売促進についても人的な販売促進やチラシ・CM、パブ リシティなどをどのように組み合わせればターゲットとする市場に最も効率よく働きかけが できるのかという「販売促進ミックス」。
 このように、4つのPひとつひとつの活動要素の中でも、最適な手段の組み合わせを見つ けて実践課題が決定されている。

(4)マーケティング活動と管理サイクル


 マーケティング活動を実践する際には、最初に「マーケティング目標」を定めることが大 切である。次に、その目標に向かって進んでいくために、どんな方法でどれくらいのスピー ドで進んでいくかという「計画(Plan)」が立てられ、計画に沿って「実行(Do)」してい く。しかし、内外の環境の変化や見通しとの相違などによって計画通りに進まない場合も出 てくるので、計画通りに進んでいるかどうか、あるいは計画した成果があがっているかどう かを「検証(Check)」しなければならない。さらに、検証した結果をもとに目標を修正すべ きか計画を変更すべきかなどの「対策(Action)」を立て、次なるステップにおける「計画」 に盛り込んで行く。そして、新たな計画に基づいた「実行」、「検証」。「対策」と継続的 な改善を繰り返しながら目標の達成を目指す。
 アメリカのデミング博士は、このように計画(Plan)・実行(Do)・検証(Check)・対策 (Action)のプロセスを継続して回転させることにより目標へ向けて前進し、レベルアップ していくことを説いた。このプロセスを「管理サイクル(PDCAサイクル)」と呼ぶ。こ の管理サイクルの考え方はマーケティング活動に限らずあらゆる活動に適用されている。

管理サイクルのイメージ





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